警鐘

大雪の短い夏には雪解けを待ちわびた高山植物たちが次々と咲き誇る。

背丈の低い可憐な花が広がる美しさは、まさにカムイミンタラ（神々の遊ぶ庭）
と呼ばれるにふさわしい。

といっても私のように登山できないものは写真や映像で思いを馳せるか、
旭岳の中腹あたりでウロウロしながらお花畑の一部を楽しませてもらうしか
ないのだが、それでも感動を忘れられず、毎年のように大雪の夏を待つ。

大雪の奥座敷とよばれるトムラウシ山は登山慣れしている人たちには楽しみの
山なのであろうけど、私にとっては遥か遠く、いつかは・・・と思うことさえない。

そこにたどり着いた人にしか味わえない絶景を求めてたくさんの人たちが
大雪を訪れている。
そして先日、トムラウシを目指していた10人もの命が一夜で亡くなってしまった。

連日のニュースを目にする度に胸が詰まる。
大雪の景色を楽しみにして参加しただろうに、風雨でつらいだけの登山のまま
亡くなってしまったのではないのか、経験豊富な方たちだったのに、何故
引き返す選択をしなかったのか。


人間に対しての天からの警鐘にしてはあまりにも大きな犠牲ではないのか。
























心からご冥福をお祈りします。